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院長 田中康文

いらいら


心が落ち着かず、そわそわして、じっとしておられない状態です。 時には大声を出したり、怒鳴ったり、物に当たることもあります。 また、顔が紅潮したり、目が充血することもあります。 このようなイライラは心神という心の状態が火熱して(心火と呼ばれています)、上方に舞い上がって生じます。

東洋医学でいう心は、現代医学でいう心臓のほか、精神活動を指します。 特に精神活動を指す時、心神といいます。 このような心神が火熱して、心臓あたりの胸が熱くなりさらに頭に血が上り、頭が熱くなった状態です。 不安、焦りのほかに、動悸、頭痛、不眠などもしばしばみられます。 このようにイライラの直接の要因は心火ですが、心の勢いが強くなり過ぎると、肝があおられ、肝が火熱して、(肝火と呼ばれています)、怒りが生ずることもあります。

反対に肝火が心火を誘発することも多くあります。 肝という臓腑はのびやかさと深い関係があると言われ、この伸びやかさが失われるとうつ状態になり、肝が火熱して燃え上がると、怒りなどが生じます。

治療は心火を冷ます生薬と心神を安定させる生薬、あるいはこれらの生薬が入ったエキス剤で治療し、怒りなどが見られた場合は肝火を冷ます生薬やエキス剤を用います。


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