今日はインフルエンザ予防接種のまめ知識をつぶやきますね。
①予防接種は、なぜ毎年しなければならないのでしょうか?
インフルエンザは毎年流行しますが、
病原ウイルスは少しずつ抗原性を変えることが多く、
以前にかかったときの免疫が効かなくなってしまうからです。
厚労省は過去のデータから翌年に流行する型のインフルエンザの型を選定し、
ワクチンを作っています。
予防接種を受ける事によってインフルエンザにかからなくするか、
症状を軽減することができます。
②予防接種を受ける時期はいつが良いのでしょうか?
インフルエンザの流行は1月上旬から3月上旬が中心であること、
ワクチンが十分な効果を維持する期間は接種後約2週間後
(抗体ができるまで3~4週間かかるという説もある)から
約5ヶ月とされていることから、インフルエンザが流行する1月まで
に抗体をつけておくとすれば、インフルエンザの予防接種は10月下旬より
12月中旬までに済ますことをお勧めいたします。
③予防接種は、2回受けなければいけないのでしょうか?
成人の場合、1回接種だと予防効果が64%、
2回接種だと94%とされています。
2回接種した方が予防効果は高まりますが、
2回接種しても6%の人はインフルエンザにかかってしまいます。
成人の場合、今までに何度かインフルエンザにかかっているので、
多少の免疫力を持っていますが、12歳以下の子供は、
インフルエンザに対する免疫力が少ない可能性が
高く、2回受けることが必要です。
また、受験生とか、どうしても仕事を休めない職業の人とか、
喘息など気管支に持病のある人なども、やはり2回接種の方が間違いがありません。
また、65歳以上の方は免疫力が少し落ちているので、
予防接種は2回受けられた方がよいと思いますが、
2回目の接種は市町村の補助はありません。
2回目のワクチンの接種は1回目の接種から1~4週の
間隔で行うことになっていますが、
4週に近い方が効果は良いので、3週ぐらいあけるのがベストかと思います。
④予防接種を1回しか受けないのは、意味がないのでしょうか?
そんなことはありません。
2回受けるのはより強い抵抗力を付けるためです。
1回接種でも抵抗力はある程度付きます。
受けない場合と比べれば、たとえ1回でも受けておいた方がよいでしょう。
成人の場合、1回接種の予防効果は64%ですが、インフルエンザに罹患し
たときの死亡予防効果は1回接種でも80%であると言われています。
⑤授乳中にインフルエンザワクチンを接種しても問題はありませんか?
授乳婦はインフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、
病原性をなくしたウイルスの成分を用いているため、
体内で増えることも無く、母乳を介してお子さんに影響
を与えることもありません。
また、母親がワクチン接種を受けることで、
乳児に直接のインフルエンザ感染の予防効果を
期待することはできません。
長くなりましたが、実は今日のつぶやきは
ここのところ、私の患者さんから非常に多く質問される
事柄を紹介してみました。
(原稿作成日:2012.11.19)